ダメな事務所?

 遠方の方から建設業許可取得の依頼がありました。ざっくりお話をお伺いしたところ、許可要件を満たさないようでしたので、そのことを伝えたところ、翌日にはこの案件を受注してもらえる行政書士さんをお客様自ら見つけたそうです。
 岡田が聞き漏らした情報があったのか、不勉強だったのか分かりませんが、お客様が幸せなら良かった良かったと思います。

 建設業関連業務を得意とする事務所のホームページを眺めて思ったのですが、「許可率100%」、「不許可件数0」という宣伝文句は半ば反則ではないでしょうか。
 不許可になりそうな申請の代理を断れば「許可率100%」、「不許可件数0」は簡単に達成できます。弊事務所も許可率100%、不許可件数0です。
 とあるページではダメな事務所を見分けるポイントとして「行政書士の登録番号から判る登録年が最近」と仰っていました。(「ダメ」という表現は気に入りませんが)半分は正しいかもしれません。ですが、お勤め時代に養った専門分野の知識と実務経験を武器に持ち満を持して開業された行政書士さんもたくさんいます。また、経審については、京都府行政書士会では京都府から経審の受付業務を受託していますので、充実した研修制度とベテランとペアを組んだ受託業務により、2006年登録の岡田より詳しい若手がたくさんいます。
 また、「経営業務管理責任者や専任技術者といった専門用語を使いたがる」こともダメなポイントだそうですが、良い行政書士とは、これらの言葉を使わないのではなく、これらの言葉と役割を解りやすく説明できる行政書士のことではないでしょうか。ドライバーはあくまでお客様、行政書士はピットのスタッフに過ぎません。ドライバーがハンドルのことを「輪っか」と言っているようでは危ういです。
 「個人事務所」、これもお薦めされていませんでした。その行政書士に何かあった場合にフォローしてもらえる存在が必要とのことでした。個人の行政書士は突然死してしまったら確かに困るのですが、行政書士同士は広く仲が良いようですので、入院位なら引き継いでもらえる行政書士を紹介できるのではないかと思います。
 「ホームページは立派だが写真は素材集のものを使っている」事務所もダメだそうです。すみませんね…。
 岡田事務所はイマイチのようです。

 お客様からの評判を左右してしまうものは能力のほかに「緩いか厳格か」もあると思います。
 例えば遺産分割協議で判断能力の低下した相続人がいるとします。判断能力が不十分では遺産分割協議に参加することはできません。ただ、判断能力は白か黒ではありません。グレーのグラデーションです。その人が判を押した遺産分割協議書を有効として相続登記に進むか、受任をお断りするか、これは事務所によって異なる場合があります。